INFECTION CONTROL 2017 夏季増刊2514第11章特別養護老人ホームにおけるノロウイルスのアウトブレイクどのように対応・支援すればいい?アウトブレイク発生時の対応方法現場より下痢や嘔吐などの報告を受けたら、ICTおよび感染管理認定看護師(certied nurse in infection control、CNIC)がリスクアセスメントを行い、当座の対策を立案する。そして、感染対策委員会に状況を報告後、臨時感染対策委員会を開催し方針を決定する。そして、決定した方針を現場に戻し、感染対策を実践する。現場のリスクアセスメントと当座の対策入居者認知症の入居者が多く、衛生行動が自立していない。食事、レクリエーションなど居住スペースの共有が多く、面会で差し入れが多い状況であった。可能な限り個室対応とし、居住スペース共有を最小限にした。食事は自室で摂取、クリスマス会の内容を変更し、面会制限とした。手洗い環境ペーパータオルホルダー、液体石けん、擦式アルコール製剤などの手洗い物品が不足していた。また、汚物室で手が洗えないため、おむつ交換後、キッチンの流しで手指衛生を実施していた。そこで、手洗い物品を補充し動線を考慮し配置した。さらに汚物室内の手洗い環境を整備し、排泄介助後の適切な手洗いのタイミングを指導した。トイレの使用状況入居者は使いやすいトイレを自由に使用し、職員もユニット内入居者用トイレを使用していた。最初に有症状者の使用トイレを固定し、トイレ内に泡状の次亜塩素酸ナトリウムを設置した。定期清掃以外でも使用ごとに高頻度接触部位を清拭することとした。また、職員は担当フロアの職員用トイレを使用とした。汚物室の使用状況汚物室内に感染性廃棄ボックスが設置されておらず、使用後のおむつはビニール袋に入れてあるが口は開いたままの状態であった。また、使用後のおむつを素手で運搬していたため、足踏み式感染性廃棄ボックスを汚物室内に設置し整理整頓を強化、おむつ運搬ルールを職員とともに作成した。
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