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編集にあたって現在、国民の4人に1人が65歳以上であり、2025年には、団塊の世代約800万人が75歳以上の後期高齢者になると予想されています。住み慣れた地域で、包括的にサービスを提供するシステムとして地域包括ケアシステムが進められるなか、当然ながら感染対策においてもこれまで以上に地域連携が重要だと感じていると思います。そこで、本書は急性期病院以外のさまざまな施設や場面、多職種とともにチームで取り組むためのコツを各専門の先生方に、「分かりやすく」ご執筆いただきました。地域には、高齢者施設以外にも多くの介護サービス事業があり、どの場所でも感染対策は必要です。そのため、ICTへの相談や問い合わせが増え、「このサービス事業は、なに?」「どのような感染リスクがあるの?」と困ることもあるかと思います。本書は、「使える! 分かりやすい」をコンセプトにしておりますので、ICTの皆さんが初めて講義やラウンドへ行く際に、ご活用いただければ幸いです。公益社団法人 日本看護協会 看護研修学校 認定看護師教育課程 教員(感染管理認定看護師・特定看護師)森下 幸子日本は、少子・高齢化が進み、人口減少社会に突入しました。急速に高齢化が進むことで、医療体制も変化が求められています。急性期医療のニーズが減少していく一方で、回復期・慢性期医療に加え、高齢者施設や在宅医療の需要が増加してくると思われます。感染対策も同様に、急性期病院だけでなく、療養型病院、高齢者施設、在宅医療などさまざまな施設において、その重要性が増してきています。また、感染対策の地域連携が進むなかで、感染対策に関する相談も今後増えてくると思われます。本書は、感染対策に初めて取り組まれる方や、急性期病院以外の施設に不慣れなICTを対象に、①感染対策の地域連携、②地域包括ケアシステム、③感染対策の基本的事項、④施設別の感染対策、⑤主な感染症の基本的事項、⑥アウトブレイク対応の実例と、幅広い内容を簡潔にまとめた増刊となっております。本書が各地域・施設における感染対策向上の一助になれば幸いです。三重大学医学部附属病院 感染制御部 部長/病院教授田辺 正樹

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