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INFECTION CONTROL 2018年 春季増刊13チーム熱病(ICT)の誕生第1章ICTの活動によるアウトカム当院は、2009年に筑波大学の地域医療教育センターとなり、2010年以降、臨床研修施設となりました。2012年にICTが発足し、2014年に感染症科が設立されました。血液培養の採取は年間5,000例近く、陽性率も10~15%内を維持しており(採取数が適切な指標)、また緑膿菌の感受性もカルバペネム系抗菌薬で90%以上を2012年以降、維持しております。特に、高齢者の多い地域中核病院で、救急外来などから帰宅する場合にも、発熱がある患者やリスクが高い患者に対して、徹底して血液培養を採取する診療文化により、多くの患者の重篤な疾患が早期に診断されている印象があります。こうした診療文化は、指導医の意識も変革しており、病院全体で血液培養を採取すること、グラム染色をすることなどはルーチン化しております。ICTの国内モデルへ自施設でうまくいったシステムなどは他の病院にもシェアして、他の地域の病院でも患者の医療安全とアウトカムが改善されることが望まれます。“チーム熱病”が、各地で展開され、日本の実情に合った感染症診療・感染対策のモデルが普及することを切に願っています。抗菌薬名MIC感受性結果S、I、RAMP≤4SCEZ≤2ICTRX≤2SLVX≤1SMEP≥2RGM≤4S以前の感受性結果の 表示法表5抗菌薬名カタカナ感受性結果S、I、RAMPアンピシリンSCEZセファゾリンICTRXセフトリアキソンSLVXレボフロキサシンRMEPメロペネムSGMゲンタマイシンS水戸協同病院での感受性結果の 表示法(2014年以降)表6

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