130091951
10/14

INFECTION CONTROL 2019年 夏季増刊68清掃による汚染の拡大を防ぐ図4汚染箇所から清掃することで汚染を広げることにつながる清潔(上)から汚染箇所(下)に向かって清掃する社の清掃担当者への指導が必要となる。当院では月1回程度、清掃担当事務部門と清掃会社の責任者も一緒にICT(infection control team、感染対策チーム)ラウンドに参加している。飯沼は、「清掃の実施状況の監査およびモニタリングへのICTの関与が必要である」2)と述べている。よって、清掃担当事務部門と委託会社の清掃責任者・担当者と一緒にICTラウンドを実施することで、清掃の実施状況や必要な個人防護具の着脱の実施の有無を一緒に確認している。アウトブレイク時には清掃を強化するため、清掃担当事務部門と委託会社清掃担当者の協力が必要である。日常清掃を適切に実施することで環境からの交差感染のリスクを低減させる2)ため、平常時の清掃が十分に実施されているか、清掃が不十分な箇所はないかの確認が必要である。清掃は感染リスクを除去するために必要であるが、実施方法によっては感染を拡大させるリスクがある。そのため、清掃手順で清潔箇所と汚染箇所の動線が交差していないか確認する(図4)。また、必要に応じて清掃手順の見直しや指導を実施する。汚染された清掃用具で別の病室を清掃することは、交差感染のリスクがある。清掃用具が個別化されているかどうかを確認し、複数の病室で同一の清掃用具が使用されている場合には指導が必要である。適切な清掃の実施により、感染の拡大を予防する。

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る