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視点を理解しよう! エリア/部門別 平常時とアウトブレイク発生時のポイント〈共通エリア 病棟 〉 INFECTION CONTROL 2019年 夏季増刊69ICTラウンド中、退室時に委託会社の清掃担当者は、接触予防策を実施中の病室の洗面台を清掃したスポンジを持っていた。スポンジの取り扱いについて確認すると、「次の部屋でも使用する」ということであった。ICTラウンド中にこの事例をメンバーで共有し、接触予防策を実施している病室の清掃に使用した物品を持ち出すことで汚染を拡大させるリスクにつながるという意見で一致した。しかし、スポンジに関しては、日常より同様の方法で清掃していることから、応じてもらうことが困難であった。当院では2017年から、清掃担当事務部門と委託清掃会社の責任者が月1回ICTラウンドに一緒に参加するようになった(図5)。清掃状況の確認や、清掃が不十分な箇所の清掃ができる範囲など意見交換ができる場ができた。アウトブレイク時には現場のスタッフ、感染制御部とともに清掃担当事務部門も一緒に一斉清掃を実施するなど、清掃担当事務部門と良好な関係を構築できるようになった。 前述の例では、清掃担当事務部門と委託清掃会社の責任者がICTラウンドに参加していない日であった。後日、清掃担当事務部門と委託清掃会社の責任者に本事例とICTの意見を伝えた。その後、清掃時のスポンジの運用について検討してもらうことができ、小さいサイズのスポンジを使用し、使用後は廃棄することにしたという報告があった。清掃担当部門と委託会社の清掃担当者との関係性が構築できていたことから、問題解決することができた。(協力体制が重要! 清掃用具の管理)ICTラウンドの様子図5清掃担当事務部門

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