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編集にあたって感染制御チーム(ICT)の活動は、施設内の隅から隅まで、あらゆる人と場所に及びます。行ったことがない場所や、話したことがない人が大勢いるでしょうし、少し苦手な職種の人や、知識が十分とはいえない専門エリアがあるのではないでしょうか。本書は、エリアや部門への介入方法について書かれた単純なHow-to本ではありません。ICTが、臨床スタッフの困りごとや、問題発生時に確認するべきポイントを理解し、日常的な、あるいは危機的な状況において的確な対応をするためのKnow-howを身につけるための本です。第1章では、感染対策が難しいといわれている代表的なエリアと部門について、なぜ介入が難しいのか、その特徴と感染リスクについて解説しています。また、「困ったトラブル」対応の成功事例が紹介されています。第2章では、エリアと部門ごとに、その特徴と感染リスクについて解説しています。平常時の取り組みとして必要な事項をあげ、ラウンド時に見逃しやすいポイントを写真とイラストで説明しています。そして、アウトブレイク発生時の介入の視点と、「困ったトラブル」発生時の具体的な対応事例が紹介されています。本書の執筆者は、最前線で活動する感染管理看護師です。ガイドラインやエビデンスに基づく知識と技術だけではなく、集積された経験によるKnow-howが盛り込まれています。問題発生を告げるPHSが鳴るのは、今この瞬間かもしれません。本書は、急いで情報を得たいときの助けになるでしょう。また、時間を費やしてゆっくり読めば、現場へ行き、実際に見て、情報収集をしたくなるに違いありません。院内には、まだまだ未開拓の場所があるはず。さて、あなたは今日どこへ行きますか?独立行政法人国立病院機構 西埼玉中央病院 看護部(感染管理認定看護師・感染症看護専門看護師) 坂木晴世

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