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28の危険性や鋭利器材による切創などの危険性があるため、作業者の安全確保が重要である。洗浄技術やすすぎは、作業者による差が出やすいため、教育とマニュアルを徹底する。 浸漬洗浄には酵素系洗浄剤を使用し、恒温槽などを用いて40~45℃に加温して洗浄する(図1)。用手洗浄の注意事項を表3に示す。■機械洗浄 洗浄剤と洗浄装置の物理的作用を用いて汚染器材を洗浄することを機械洗浄とよぶ。主な洗浄装置には、超音波洗浄装置やウォッシャーディスインフェクタ(washer-disinfector,WD)がある。超音波洗浄装置 超音波エネルギーによる洗浄物の微小振動と、洗浄液中の気体分子のキャビテーション(微細な空洞)効果によって洗浄する装置である。複雑な構造の器材や、ボックスロック部などの入り組んだ部分にも効果が及び、広く使用されている。超音波洗浄の注意事項を表4に示す。浸漬洗浄用の恒温槽図1用手洗浄の注意事項表3①現場での「洗浄時の注意事項(表1)」①~⑥参照。②洗浄・消毒した器材は、十分にすすいで器材用乾燥機で乾燥させる。③分解可能な器材は分解し、鉗子などは90°程度に開いて洗浄液の中に完全に浸漬させる(空気だまりを作らない)。④洗浄剤は毎日交換し、洗浄液が濁ったときや沈殿物が目立ったときは、洗浄剤の効果が減弱しているため、そのつど調製し直す。⑤浸漬洗浄時間は、一般的に10~20分程度。⑥汚染の状況により、浸漬洗浄後にブラッシングを追加する。超音波洗浄の注意事項表4①低発泡性の酵素系洗浄剤を使用し、洗浄後は十分にすすぐ。②分解可能な器材は分解し、器材に空気だまりを作らない。鉗子などは90°程度に開いて、洗浄液中に完全に浸漬させる。③洗浄剤は毎日交換し、濁ったときや沈殿物が目立ったときは、洗浄剤の効果が減弱しているため、そのつど調製する。④洗浄時間は、一般的に10分程度。⑤洗浄可能な洗浄物は金属などの固い素材の器材であり、ゴムやシリコンなどは適応しない。⑥超音波の発生は、目視や音で確認できないため、毎日インジケータやアルミホイルを使用して確認する(図2)。

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