30ましい。目視法は数値化ができず、器材の重なりや内腔など判定できない場所もあるが、いつでも判定が可能である。直接判定法 洗浄後の器材に付着している残留蛋白質量を評価する方法で、実際に使用した器材の評価が可能である。 「医療現場における滅菌保証のガイドライン2015」5)では、直接判定法を「洗浄剤や洗浄プログラムの検証あるいは変更したとき」、「超音波洗浄装置やWDなどを更新、修理、点検したとき」、「作業者が交代したとき」、「年1回以上」のタイミングで実施する。 また、洗浄後の止血鉗子(14.5cm)1本あたりに対する残留蛋白質量の許容値は200μg、目標値は100μgと決定している。間接判定法 WDが正常に稼動したかどうかを確認するための方法で、洗浄インジケータを器材と一緒に洗浄し、洗浄後のインジケータに残留している汚染物の状態を判定する。洗浄インジケータの種類を表74)に示す。 洗浄インジケータには擬似汚染物が塗布されているため、毎回同じ条件で客観的に評価す洗浄評価の種類と特徴表6判定方法試験方法・試薬指標物質特徴勧告目視視認蛋白質、多糖類、脂質、薬物・簡便であるが個人差がある。・数値化が困難である。・日常的に実施する。色素染色アミドブラック10B蛋白質・簡便に定性値が得られる。・色調表、比色系の使用により(半)定量値が得られる。・内腔を有する器材にも適応する。・必要に応じて実施する。・年1回以上。拭き取り綿棒付着物の化学反応蛋白質・簡便に(半)定量値が得られるが、専用試薬と装置が必要である。・個人差があり、拭き取りや測定にばらつきがある。・綿棒が入り込めない狭い隙間や内腔は測定できない。ヘモグロビン生物学的発光法アデノシン三リン酸抽出・CBB法:クーマシー・OPA法:オルトフラルアルデヒド・BCA法:ビシンコニン酸蛋白質・正確な定量値が得られるが、手技が複雑で試薬と装置が必要である。(文献4より一部改変)
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