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33消毒における基礎ポイント❷中部地区中材業務研究会 会長 島崎 豊ICTのためのポイントICTのためのポイントICTのためのポイントICTのためのポイント患者の感染症の有無によって使用した器材を消毒していないか、消毒薬の種類を変更していないかを確認する。器材の洗浄後に消毒しているか、洗浄は専用のシンクで行い、清潔なブラシやスポンジなどを使用して十分洗浄した後にすすいでいるか、使用する消毒薬の選定や消毒薬の濃度調整、接触時間、温度管理などが適切に行われているかを確認する。消毒済みの器材をタオルなどの上に置いて乾燥させていないか、清潔な状態で乾燥させて保管しているかをチェックする。 消毒とは「生存する微生物の数を減らすために用いられる処置法で、必ずしも微生物をすべて殺滅または除去するものではない」とされている。 消毒薬には、患者の処置や医療従事者の手指などに適用する生体消毒薬と、医療器材や環境などに適用する非生体消毒薬があり、患者や医療従事者、環境に及ぼす影響、安全性などに注意することが必要である。 消毒薬が微生物を殺滅する機序やその効果は、使用する消毒薬の種類、作用温度、作用時間、消毒対象物の汚染度、微生物の種類や状態などによって異なる。そのため、消毒薬の特性を十分に理解したうえで、使用目的や消毒対象物に応じて十分な効果が期待できるものを選択して使用する。 消毒は、消毒薬を用いる化学的消毒法と、ウォッシャーディスインフェクタ(washer-disinfector,WD)などの熱水(80℃で10分、93℃で5分など)を用いる物理的消毒法がある。熱水を用いた消毒法は効果的かつ経済的で、消毒薬のように残留毒性がないことから安全な方法であり、熱に耐える医療器材の消毒は熱水消毒が第1選択となる1)。 熱が使用できない場合は、消毒薬による消毒を行う。医療器材に用いる消毒薬は、殺滅できる微生物の範囲に応じて高水準消毒、中水準消毒、低水準消毒の3つに分類される(表1)2)。 有機物などが残存していると、消毒薬の濃度が低下し十分な効果が期待できなくなること消毒とは化学的消毒法

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