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編集にあたって編集にあたって薬剤耐性菌対策の強化や、環境汚染菌が医療関連感染に関与したとする報告が増え、医療現場における環境整備、そして、設備や器具などに関する感染対策の徹底が重要視されています。一方で、これらの感染対策の実務に関わるのは、看護補助者や外部委託会社(アウトソーシング)職員であることも多くなっています。その結果、責任を持つべき施設側の管理者(医療従事者)においても、「器材などの使用目的や、その特徴を踏まえた処理などに関する知識が十分でない」、「作業手順を十分に把握できていない」といった現状が少なからずあります。また、実務を担う看護補助者などが、“こんな処理で大丈夫かな?”と不安に思いながら作業し、ICTラウンドなどの場面で、適切な処理方法について質問を受けるケースがあります。提供する医療の進歩と共に、医療現場における器具・物品も変化し、単回使用物品の増加、構造が複雑な内視鏡関連およびロボット手術器材の管理など、これまで以上にICTとして知っておくべき知識や情報は多岐にわたっています。本書では、臨床現場の現状を踏まえ、洗浄から滅菌までの工程における基礎知識や、器具や物品にまつわる感染対策の注意点など、ICTが知っておくべき(指導すべき)器具・物品の感染対策について解説したいと考えました。また、Q&Aの展開を充実させ、日常的に発生しやすい身近な問題に関して、しっかりと解決していけるよう情報をまとめました。具体的な解説書の存在により、ICTメンバーが自信を持って実践し、また看護補助者などへの指導・教育の充実・強化を図り、安心・安全な業務遂行につながることを期待しています。臨床現場で発生する器具・物品などの取扱いに関する課題では、基本を押さえたうえで自施設の状況や条件を踏まえ、実施可能な方策を具体的に考えていくことが重要です。本書が、ICTの力を結集し、適正な器材管理に取組むための一助になれば幸いです。最後に、ご執筆いただきました諸先生方、ならびに本書の出版にご尽力いただきましたメディカ出版の井奥享子様、他編集室の皆様に深謝申し上げます。2019年12月東京医科歯科大学医学部附属病院 看護部 副看護部長(感染管理認定看護師、認定看護管理者)小野和代

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