54INFECTION CONTROL 2020年 夏季増刊械的または化学的な作用により接着あるいは絡み合わせて布にしたものであり、織り目がないため、血液やバクテリアなどが透過しにくい特色がある。3層構造とは、①スパンボンド法の不織布と、②メルトブロー法の不織布を用い、①で②を挟みサンドイッチ状にしたものである(原料はポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンなど)。①はフィルタ性能は劣るが撥水性と強度がある。②は防水性とフィルタ性能が高い。適正な使用場面と目的マスクの使用場面と目的について、米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention,CDC)が2007年に発表したガイドラインでは、標準予防策と飛沫予防策に準じ、以下の3つの目的と場面で使用するとしている2)。① 患者からの感染性物質の飛散がある場合に医療従事者が装着する:患者からの感染性物質(たとえば呼吸器分泌物、血液または体液)との接触から医療従事者を保護するため。② 無菌技術を必要とする処置に従事しているときに医療従事者が装着する:医試験レベル1レベル2レベル3試験概要細菌濾過効率(bacterial filtration efficiency,BFE)≧95%≧98%≧95%装着者の呼気中に含まれ排出される微生物に対して用いられるマスクのフィルタ性能の指標で、4.0~5.0μmの飛沫に含まれる細菌がマスクによって除去された割合をパーセントで示す。数値が高いほど性能がよい。微粒子濾過率(particle filtration efficiency,PFE)≧95%≧98%≧98%空中に浮遊する微粒子に対して用いられるマスクのフィルタ性能の指標で、0.1μmのポリスチレンラテックス微粒子がマスクによって除去された割合をパーセントで示す。数値が高いほど性能がよい。人工血液耐浸透性80mmHg120mmHg160mmHgマスクに対して、血圧に相当する80、120、160mmHgの圧力をかけた場合の人工血液の透過性を試験し、合格した圧力を記載する。圧力差<4.0<5.0<5.0一定の流量の空気をマスクに流し、マスク内外の圧力差を数値で示す。数値が低いほど呼吸がしやすい(呼吸のしやすさ)。燃焼性Class1Class1Class1一定条件でマスクに炎を当て、燃え広がる速度を測定する。クラスが低いほど燃えにくい。表1マスクの性能基準Download (文献1より改変)
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