55第4話第2章INFECTION CONTROL 2020年 夏季増刊療従事者の口や鼻からの感染性物質による曝露から患者を保護するため。③ いわゆる呼吸器衛生/咳エチケットとして咳症状のある患者が装着する:患者からほかへの感染性呼吸器分泌物の拡散を制限するため。そのほか、無菌製剤のミキシングの際(前述の②に相当する)や、化学療法薬(抗がん剤)による曝露を防止する目的で穿刺の際などにも使用される。マスクやゴーグルの適用について、表2に示す2-6)。インフルエンザの流行期にマスクを使用することによる感染対策の効果については、有効であるという高いレベルでのエビデンスはない。研究で効果の有意差が出なかった理由としては、マスク装着を徹底することが難しかった可能表2マスクやゴーグルの適用Download個人防護具CDC院内感染対策マニュアル作成の手引き職業感染制御研究会標準予防策マスクゴーグル標準予防策と飛沫予防策に準じ、以下の3つの目的と場面で使用する。① 患者からの感染性物質の飛散がある場合に医療従事者が装着する:患者からの感染性物質(たとえば呼吸器分泌物、血液または体液)との接触から医療従事者を保護するため。② 無菌技術を必要とする処置を行っているときに医療従事者が装着する:医療従事者の口や鼻からの感染性物質による曝露から患者を保護するため。③ いわゆる呼吸器衛生/咳エチケットとして咳症状のある患者が装着する:患者からほかへの感染性呼吸器分泌物の拡散を制限するため。処置や患者ケアの過程で目・鼻・口の粘膜に体液などによる汚染が予測される場合(血液やそのほかの体液、分泌物の飛散)はマスク、ゴーグル、フェイスシールドを使用する。・患者の呼吸器分泌物、血液・体液が飛散し、医療従事者の鼻口腔粘膜がこれに曝露するリスクがあるときに使用する。・清潔操作を要する処置を行う際に、医療従事者が口や鼻に保菌している感染性病原体に患者が曝露しないために使用する。・飛沫粒子が広範囲に飛散する可能性が大きい場合(手術、創洗浄、口腔ケア、気管内吸引など)。・医療器具操作時に内容物が飛び出したり、跳ね返ったりして曝露する可能性がある場合。飛沫予防策マスク・ 病室または仕切られた区域に入る際にはマスクを装着する。・ 医療環境下における搬送または移動が必要な場合、患者にはマスクを装着してもらい、呼吸器衛生/咳エチケットを遵守するように指示する。・ 飛沫予防策下にある患者の搬送者にはマスクは不要である。患者と1m以内で接するときにはマスクを装着する。・飛沫予防策を行う患者の病室の入室前に装着する。 (文献2~6より改変)
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