51INFECTION CONTROL 2020年 夏季増刊●サージカルマスク(以下、マスク)に限らず、医療現場において必要な場面で必要な個人防護具を選択できることは、感染対策上、非常に重要である。しかし、マスクは医療現場以外でも日常的に用いられることが多く、医療現場で標準予防策、飛沫予防策の一環として使用するという目的が曖昧になっている面がある。●感染対策チーム(ICT)が顎マスクや鼻出しマスクなどについて指導する前に、「今、装着しているマスクは何のためなのか」「その目的を本人が理解しているか」をアセスメントする必要がある。使用目的をはっきりと理解できれば、口や鼻を覆わなければならないという意識につながる。●ICTがスタッフにマスクについて指導する際には、装着方法だけに目が向きがちであるが、使用目的についてもしっかりと伝えることが大切である。スタッフに必ず伝えるべきポイントA病院では個人防護具の適正使用を勧めている。特にマスクに関しては、場面にかかわらず習慣的につけている職員が多いようだ。しかも、それらの職員を見ていると、顎マスク(顎にマスクをずらしている)や鼻出しマスク(マスクから鼻が出ている)が目立つ。そこで、ICTラウンドでICNとICDを中心に装着状況をチェックすることにした。バックグラウンド(背景)鼻出しマスク、顎マスク…ちゃんと着けていない!第4話大阪医科大学附属病院 感染対策室 看護師長(感染管理認定看護師) 川西史子
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