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 COVID-19は全国的な流行となり、各地でクラスターが発生しています。これによって、ほとんどの医療機関が何らかの形でCOVID-19に関与することとなりました。もちろん、2019年12月末に中国の武漢でCOVID-19が発生して以降、さまざまな情報を収集してきたことと思いますが、実際に患者を直接診療することになると、さまざまな疑問点が発生します。 通常ならば、講演会や講習会などに参加することによって、重要な情報を入手し、疑問を解消することでしょう。しかし、COVID-19の流行下では人々が集合するような状況は、クラスターを発生する危険性があるということで、講演会などの開催が困難となっています。すなわち、情報を収集する手段の一つが遮断されているのです。このような状況から、さまざまな疑問点を集めて、専門家に解説していただく増刊が必要と考えました。 COVID-19は感染対策のほころびを見つけて、そこから侵入してきます。マスク、手袋、ガウンなどは着用すればよいというものではなく、適切なタイミングで適切に着脱しなければなりません。これまで行ってきた感染対策が、本当に適切かどうかを今一度再確認する必要があります。COVID-19は形式的な感染対策が通用しない感染症と考えるべきです。本増刊には、COVID-19において知るべき知識と情報が集約されています。この一冊があれば、臨床現場でのCOVID-19対策は科学的かつ実践的なものになると思います。すべての医療機関におけるCOVID-19対策の座右の書となれば幸いです。 最後に、このような企画を提示していただいたメディカ出版のインフェクションコントロール編集室に心から感謝の意を表します。 2021 年 1 月吉日浜松医療センター 院長補佐・感染症内科部長・衛生管理室長矢野邦夫編集に際して

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