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エビデンスや知見に基づいて選択し、院内でのコンセンサスを得る新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行早期は感染経路が確定せず、各種ガイドラインや学会提言において、空気感染か飛沫感染かの判断とともに、マイクロ飛沫感染という新たな用語も頻用され、各施設がさまざまな個人防護具を使用している状況がメディアを通して報道されました。大変な重装備で診療にあたっているところもあり、施設によって使用している個人防護具にばらつきがみられました。院内での個人防護具のレベルをどのように設定するのかは、その時点での知見やガイドライン、各施設の資材をもとに考え、準備しましょう。また、院内でコンセンサスを得るために会議で承認を得てから使用を開始しましょう。個人防護具の選択と着脱のポイントは何ですか? 大阪大学医学部附属病院 感染制御部 副部長/看護師長(感染管理認定看護師) 太田悦子2新型コロナウイルス感染症(疑い)患者の診療時に使用する個人防護具は、エビデンスや先行する知見に基づいたものを使用し、院内でのコンセンサスを得ます。各個人防護具の使用目的について理解し、使用場面によって装備を変更することができるように教育します。日ごろあまり使用しない部署には個人防護具をセット化して払い出し、着脱の方法は電子カルテから閲覧できるようにします。着脱時の汚染リスクを認識して、着脱手順と手指衛生のタイミングを理解したうえで実施します。着衣場所と脱衣場所は別にします。また、再使用するものの脱衣方法や保管方法については手順が分かるように明示します。INFECTION CONTROL 2021年 春季増刊128

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