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透析ケア 2017年夏季増刊76血液透析4自己血管内シャント合併症もっとも一般的な自己血管内シャントの模式図です。橈骨動脈に橈側皮静脈を側端吻合してシャント化しています。上腕橈側皮静脈橈側皮静脈橈骨動脈吻合部上腕尺側皮静脈上腕動脈尺側皮静脈尺骨動脈スチール症候群や閉塞性動脈硬化症などの虚血を疑います。瘤の皮膚に光沢や青色変化を認める場合は、出血のリスクが高くなります。狭窄部位の静脈壁は、著しく肥厚していることがあります。静脈に沿って認める発赤と疼痛は、ほとんどが血栓によるもので感染はまれです。シャントの中枢に狭窄もしくは部分閉塞が生じると、細かい皮静脈が発達し怒張します。また、手などに浮腫を伴うことがあります。吻合部で強いスリルを触れる場合は、過剰血流を疑います。逆に拍動が強い場合は、中枢側の狭窄を疑います。皮静脈の怒張・手や腕の浮腫強いスリル・拍動手指の冷感と痛み皮膚の菲薄化・青色化狭 窄発赤(血栓性静脈炎)血栓静脈壁バスキュラーアクセスの構造:内シャント偕行会名古屋共立病院バスキュラーアクセスセンター◆大久保健太郎(おおくぼ・けんたろう)偕行会名港共立クリニック院長/内科◆佐藤隆(さとう・たかし)
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