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現在では、“末期腎不全患者の治療”を示す用語として“腎代替療法”が用いられていることが多くあります。腎代替療法とは本来、血液透析や腹膜透析などの血液浄化療法ならびに腎移植を指しますが、末期腎不全患者に対する治療は、それらの治療法のみならず、薬物療法、食事療法、リハビリテーションなども組み合わせて、集学的に行うことが一般的となっています。 本書は、「腎臓のはたらきと腎不全」「透析療法の仕組み」「透析患者の体の変化」と、大きく3つの章に分けて構成しています。腎臓の本来の機能・役割について理解し、その理解の下に腎代替療法(血液浄化療法、薬物療法、食事療法、リハビリテーション)を行う際に、「腎臓のどのような機能の低下により、患者さんにどのような変化が起きているのか」「その変化に対して、どのような治療を行うべきか」「治療による効果はどのようなもので、どの程度か」がわかりやすいように編集しています。 項目としては、透析療法をはじめとする腎代替療法のみならず、腎不全の病態も含め、透析医療の最前線で活躍されている先生方に平易な言葉で執筆していただきました。平易な記述をお願いしましたが、透析医療の最前線でご活躍の先生方のご協力により、内容は充実したものとなっています。腎代替療法を学ぶうえでの入門書であるのみならず、臨床実践においてもくり返し活用していただけるテキストブックともいえる内容です。 本書が、みなさんの日々の診療・看護の一助になれば幸いです。 最後に、ご多忙にもかかわらず執筆にご協力いただきました先生方に深く感謝いたします。本当にありがとうございました。2017年4月友 雅司大分大学医学部附属臨床医工学センター診療准教授
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