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透析ケア 2017年夏季増刊203糸球体一つの腎臓には約100万個のネフロンが存在し、輸入細動脈から流れ込んだ血液が糸球体で濾過され、原尿が生成されます。生成された原尿は血漿とほぼ同じ組成ですが、尿細管において各物質の再吸収や分泌を受けることで、最終的に濃縮された尿となります。血 液輸入細動脈輸出細動脈ボウマン腔糸球体は水と小分子を濾過しやすく、アルブミンをはじめとする蛋白質はほとんど通しません。糸球体係蹄壁を構成する内皮細胞・基底膜・上皮細胞が、分子の大きさ(サイズバリア)と荷電(チャージバリア)により障壁としてはたらき、限られた物質のみが濾過されるようになっています。赤血球アルブミン内皮細胞基底膜上皮細胞電解質、老廃物(尿素、クレアチニン)、ブドウ糖、HCO3-、アミノ酸、水低分子物質糸球体係蹄壁サイズバリア物理的な構造により高分子の物質は濾過されにくいチャージバリア基底膜は陰性に荷電しているため、電気的反発によりアルブミンなどの陰性荷電物質は濾過されにくい老廃物を尿として体外に出す日本大学医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科教授◆阿部雅紀(あべ・まさのり)
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