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60透析ケア 2017年冬季増刊Doスキントラブルがみられるシャント肢へのテープ固定法 テープ固定により患者が皮膚かぶれを起こすケースは少なくありません。表皮のかぶれはシャント感染の原因にもなります。また、皮膚の弱い患者ではテープを剝がす際も注意が必要です。スキントラブルのみられる部位にはテープ固定をしないようにしましょう。やむをえずテープ固定を行う場合は、小さなガーゼで患部を保護してから固定します。当院では、テープの種類を考慮してもスキントラブルが改善しない患者に対しては、テープ固定を最小限にして血液回路をガーゼ(紐)で固定したり、炎症所見の強い患者ではステロイド剤含有のドレニゾンⓇテープを使用したりして固定しています。固定しやすく剝がしやすいテープの工夫 テープ固定時は、適切な長さのテープを使用しましょう。テープが短いと剝がれやすく、長すぎてもかゆみの原因となります。また、皮膚の弱い患者では、貼付時にテープの端を数mm折り込んでおくと、剝がす際に皮膚への負担が少なくなります。テープを重ね貼りしないことも大切です。テープを重ねて貼ると、粘着力が低下したり、上のテープに引っ張られて下のテープがいっしょに剝がれたりする可能性があります。なお、一度剝がしたテープは粘着力が低下します。 また、消毒薬や軟膏、クリームが付着していると、テープが皮膚に接着しにくくなります。夏場は発汗によりテープが剝がれることもあります。血圧低下時に多量に発汗しているときは、テープが剝がれていないかどうかも確認しましょう。シャントの上やスキントラブル部位には血液回路を固定しないようにします。関節や皮膚の状況を考慮して血液回路を固定する前腕の発赤部を避けて固定し、肌荒れしやすいためテープの使用を最小限にし、ガーゼで固定

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