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61透析ケア 2017年冬季増刊1第 章留置針と血液回路の接続・固定透析手技のDo&Do Not10血液回路の固定方法 透析中の体動で引っ張られないよう、血液回路は緩みをもたせて固定します。固定方法としては、S字状のたるみをもたせる方法、血液回路を一度Uターンさせて固定する方法、血液回路でループをつくり固定する方法などがあります。これらの方法で固定すると、万一血液回路が引っ張られても直接針に力がかからず、抜針対策として有効です。また、関節をまたいで血液回路を固定する場合は、関節を伸ばした状態で固定しましょう。関節を曲げた状態で固定すると、関節を伸ばした際に血液回路が引っ張られます。 血液回路の固定方法には、上腕や手首、衣服にベルトや紐、洗濯バサミを利用して固定したり、直接患者に持ってもらったりする方法があります。複数の血液回路をまとめて1本のテープで固定すると、1ヵ所が引っ張られたときにまとめて引っ張られるため、できる限り1ヵ所ずつ固定することが望ましいです。洗濯バサミを利用する際は、衣服に血液回路を洗濯バサミで固定します。上腕固定のベルトで圧迫感がある患者におすすめです。災害も考慮した血液回路の固定方法 地震などの災害発生時には、透析装置が揺れ動き、それに引っ張られて針が抜ける恐れがあります。そのため、血液回路はなるべく患者自身に持ってもらうことが望ましいでしょう。また、固定時に血液回路が浮くことがあります。その際は止血ベルトを使用することも有効です。災害時に緊急離脱をする際、止血ベルトを探す手間を減らすために、ふだんから血液回路の固定を兼ねて手首に止血ベルトを巻いている施設もあります。ループなどがない固定では、血液回路が引っ張られた際に直接針に力が加わり、抜針の可能性があります。血液回路は直線に固定してはならないDoNot

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