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82透析ケア 2017年冬季増刊抜針発見後のスタッフの役割分担 抜針を発見したら血液ポンプを止め、抜針部を止血しながら応援を要請します。可能であれば3名(患者対応、機械操作、医師への連絡)で対応することが望ましいです。休憩中などでスタッフ数が少ない場合でも、患者対応を行うスタッフと機械を操作するスタッフの最低2名で対応するようにします。1.応援(医師への連絡)要請者 抜針事故発生の状況と患者の容態、バイタルサイン、失血量を報告します。透析治療の終了または続行指示を確認し、機械操作と患者対応のそれぞれを担当するスタッフへ報告します。2.患者対応者 抜針部位の止血を行い、患者の容態を確認しながらバイタルサインを測定します。血圧低下などで容態が急変した際は、ただちに蘇生処置を行い、医師の指示に従い強心薬や昇圧薬などを投与します。3.機械操作者 患者の容態を把握し、透析装置を操作します。再透析の指示が出た場合、そのままにしておくと血液回路内が凝固するため、一時的に血液回路の離脱処理を行い、回路内の血液が凝固しないよう循環させます。抜針時に血液回路内へ空気が混入した場合は余分な空気を抜き、生理食塩液や透析液を用いて血液回路内の状態を整えます。抜針発生後の返血または再透析時の対応 返血が指示された際、静脈側の抜針であれば先に動脈側を返血し、返血し終えた動脈側穿刺針に静脈側血液回路をつなぎ替えて返血を行います。再透析の場合は、止血状態をしっかり確認してから穿刺します。血液回路内の凝固や空気混入の有無を再度十分に確認した後で透析を再開します。抜針発見時は、かならず機械を操作するスタッフと患者対応を行うスタッフとの最低2名で対応します。可能であれば医師への連絡や記録を行うスタッフも含めて3名で対応します。一人で対応してはならない血液ポンプを止めて止血してそれから…DoNot
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