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83透析ケア 2017年冬季増刊2第 章抜針・失血透析中のトラブル対応のDo&Do Not01抜針発見時に確認すべきこと 抜針事故の原因を追究するため、抜針発見者は事故状況を確認し、状況から抜針の原因を判断します。また、穿刺を行ったスタッフに透析開始時の状況を確認します。①外筒は4分の3程度挿入されていたか、②テープ固定はΩ固定にしていたか、③血液回路はゆとりをもたせて固定していたか、などを確認しましょう。 抜針直後は患者も動揺していることが多いため、まず気持ちを落ち着かせます。気分が落ち着き、患者の容態が安定しているようであれば、いつ・どのように針が抜けたのかを患者にも確認したほうがよいでしょう。 情報を集約したうえで、牽引抜針など患者側が原因の抜針なのか、テープ固定の不備による自然抜針などのように医療者側が原因の抜針なのかを判断します。認知症や意識障害の患者で抜針事故が起こった場合は憶測となってしまいますが、なぜ事故が起こったのか、発見時の状況をかならずベテランスタッフに報告しましょう。何が抜針事故につながったのか、事故の内容を十分に話し合い理解することが大切です。抜針事故の再発を防ぐために 同じ事故が起こらないようにするために、抜針事故の原因を追究する必要があります。可能であれば抜針事故発生当日に複数名のスタッフでカンファレンスを行い、医療安全のためのツールを用いて分析すると、より具体的かつ効果的な改善策を立案することができます。同じことがくり返し起こらないようにするために、抜針事故の原因を追究することが必要です。客観的に抜針の原因を追究するDo
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