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160透析ケア 2017年冬季増刊落ち込まずに、患者の気持ちを理解する 患者から穿刺者をほかのスタッフに変更してほしいと言われた場合、あなたはどのような気持ちを抱くでしょうか。「患者に嫌われている、避けられている」という思いになり「もう、あの患者のところへは行きたくない。かかわりたくない」と感じるかもしれません。しかし、患者はあなたを嫌っているから穿刺者の変更を希望したわけではありません。あくまでその場面で「穿刺に関する不安」があったからこそ、穿刺者の変更を希望したのです。あなたのことをすべて拒否したわけではありません。穿刺以外の業務で患者にかかわる 穿刺者を変更しても、その場から離れる必要はありません。そのまま、透析開始の機械操作につきながら、患者への問診などをとおしてコミュニケーションを図っていきましょう。変更したスタッフの穿刺技術を観察して、学びを深めるのもよいでしょう。1時間ごとの機器チェックや血圧測定、透析終了時の操作・抜針などのかかわりをもち、患者との関係を構築することで、次の機会に穿刺をさせてもらう足がかりにすることができます。とくに、抜針はシャントに直接触れる機会になります。シャントの状態を観察し、抜針対応をていねいにこなせば、患者は「次回は、この人に穿刺をしてもらおう」と思ってくれるでしょう。 ただし、あなたがあまりにも傷ついてしまったなら、一時的にその患者から離れてみるのも一つの方法です。上司や同僚に相談して、その患者の担当からはずしてもらいましょう。そして、できることから徐々にかかわりをもっていきましょう。患者から「ほかの人に穿刺者を変更してほしい」と言われても、穿刺以外のことで患者とかかわりをもちましょう。穿刺者変更後、その患者を避けてはならないDoNot
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