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161透析ケア 2017年冬季増刊3第 章「穿刺者を変更してほしい」と言う患者への対応患者対応のDo&Do Not04患者は何らかの理由があって「穿刺者を変更してほしい」と希望しています。希望に沿って、穿刺者を変更しましょう。希望に沿って、スタッフを変更してから穿刺をするDo患者の苦痛を減らせるよう、希望に沿って穿刺者を変更する 血液透析を行うために穿刺は必須ですが、患者にとっては苦痛を伴う処置です。患者は苦痛が少ないことを望んでおり、信頼関係のある慣れたスタッフによる穿刺を希望するのは当然のことかもしれません。 透析治療がスムーズにうまくいっている場合に、患者には「頼りたい、腕のよいスタッフだ」などの陽性転移感情が生まれ、スタッフにも「役に立ちたい、力になりたい」などの陽性逆転移感情が生まれます。これらの感情がある場合は信頼関係が形成されており、その信頼関係のあいだに割って入るのはむずかしいかもしれません。その患者とのかかわりが少ないうちは、患者の希望に沿って穿刺者を変更するほうが無難といえます。患者の意思決定を快く受け入れる 患者に「穿刺者を変更してほしい」と言われたら、あなたは陰性逆転移感情をもつかもしれません。その際、不服そうな態度をとらないようにしましょう。「わかりました」と返答しても、口調が投げやりだったり、表情がこわばったりしていると、その非言語的表現が患者に伝わってしまいます。患者の意思決定を快く受け入れることで、信頼関係を築く一歩となります。 しかし、このままではいつまでたっても穿刺をすることができません。すでに信頼関係のあるスタッフが、患者に「○○さん(ほかのスタッフ)に穿刺をしてもらってもよいですか?」と提案していくことが必要です。穿刺者の変更を希望する理由を聴く また、患者は何らかの理由があって、穿刺者の変更を希望します。今後の対応のためにもその理由を確認すべきですが、透析開始時で次の患者が開始を待っている状況では、なかなか時間がつくれません。透析開始の慌ただしい時間が落ち着いたあとで、患者に話を聴いてみましょう。すみませんお願いしますわかりました

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