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10透析ケア 2017年冬季増刊プライミング・透析準備名古屋記念財団平針記念クリニック看護部副主任/慢性腎臓病療養指導看護師 安原伊都子(やすはら・いつこ) プライミングは、血液透析を開始できる状態にするために、ダイアライザと血液回路内の「洗浄」と「充塡」を行うことを目的としています。ダイアライザと血液回路内の細かな塵や膜の保護剤、ウエットタイプの充塡液、気泡などを除去する洗浄を行い、生理食塩液などで充塡します。残留薬物や異物は体内に入るとアレルギー症状などをひき起こす危険性があるため、十分な洗浄が必要です。 安全な透析治療は、透析装置が正しく機能していることと、透析液が適切であることが前提となります。プライミング前の準備として、ダイアライザは患者の透析指示と合致するか、ダイアライザ・血液回路の外装に破損はないか、滅菌期限内であるか、血液回路内に異物の混入がないかを確認します。滅菌期限が過ぎている製品を使用すると、感染の危険性が高くなります。準備段階で包装が開封されていた場合は、無菌状態が保持されていない可能性があるため使用しないようにしましょう。血液回路を透析装置に取りつける際は、血液回路が床に、手が直接接続部位に触れないよう注意します。 プライミング操作は、医学上の「清潔・不潔」の概念と透析装置の動作を十分に理解した「有資格者」によって行われなければなりません。人間の手に付着した皮脂やさまざまな病原体が感染源とならないよう注意しましょう。プライミング後は血液回路とダイアライザを透析装置にセットします。ダイアライザに透析液ラインカプラを接続する際は、未使用のディスポーザブル手袋を使用し、清潔操作で行います。プライミング後、治療に使用しなかった場合は廃棄します。 プライミングの標準的操作については『透析医療事故防止のための標準的透析操作マニュアル』1)に記載されていますが、施設ごとのマニュアルに沿って誰もが同じ操作で行えるようにすることが重要です。プライミング・透析準備01

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