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74 透析ケア 2018年 夏季増刊百葉の会銀座医院上野透析クリニック 藤ふじ岡おか千ち夏なつ患者入室時の観察2患者入室時の観察はなぜ重要か 透析前の患者は、「今日も何事もなく透析が終わりますように」と思っており、その思いの大きさに個人差はあると思いますが、緊張しています。とくにその日の体調が悪かったり、精神的に気になるようなことがあったりする場合には、その思いはなおさら強くなるでしょう。また、患者により、自分の思いをすんなり伝えることができる人もいれば、伝えることが苦手な人もいます。そのため、医療スタッフは患者の訴えを聞くだけでなく、客観的に観察して変化に気づくことが大切です。 一般的な観察ポイントとして、以下の内容を確認しましょう。①入室時の歩行状態、表情、顔色、話し方はいつもと変わりないか。②患者の態度はいつもと変わりないか。③睡眠、食欲など生活活動に問題はないか。④前回透析後からの自宅での様子に変わりはなかったか。⑤前回の透析記録を見返し、継続観察が必要な事柄がないか。透析前の体重測定 透析前の体重測定を正確に行うことは、その日の透析を安全に行うためにとても重要です。過除水、除水不足などの原因にもなるので、ミスのないように十分に注意しましょう。体重測定前の確認事項①体重計が傾いていないか。②体重計がゼロ表示となっているか。③体重計に余計なものが触れていないか。体重測定時の注意点・確認事項①基本的には医療者のつき添いのもとで体重測定をすることが望ましい。②体重計の中央にのっているか。③余分な荷物を持っていないか。④体重計に患者以外のものが触れていないか(杖を持っている患者やスリッパを脱いで測定する患者の場合は、杖やスリッパが体重計に触れている可能性もあるため、とくに注意)。
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