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にあたって松岡由美子 百葉の会銀座医院上野透析クリニック 透析室看護師長 透析室では、患者一人に対して1台の透析装置を使用した、腎代替療法である血液透析が行われています。何人もの患者が一斉に血液の体外循環を行っている光景は、ほかの領域では見ることはなく、とても緊張することでしょう。 新人スタッフは、このような透析室の環境や専門用語、患者とのコミュニケーション、多職種との協働などにとまどいと不安を感じながらも、慢性腎臓病の病態や透析療法の知識を培い、除水の計算や穿刺・返血操作などの透析技術を習得しなければなりません。また、透析患者が抱えている不安や苦悩、患者を支える家族の不安にも対応しなければなりません。同じ透析療法を受けていても、原疾患や合併症、透析導入期と維持期、年齢層などで患者へのかかわり方は異なります。超高齢社会に伴い透析患者も高齢化しており、透析看護に加えて患者の透析生活を支える支援も必要になってきています。 本書では、透析患者の身体や心で起こっていることやその原因、予防法、対処・ケアの方法など、新人スタッフがまず身につけたい内容をていねいに解説しています。そして、安全で安楽な透析療法と、合併症や生活の不安が少ない透析生活を支援するために必要な知識を養い、技術を身につけるために、基礎知識である腎不全の病態、血液透析療法、透析看護師の役割や透析技術のほか、合併症対策や安全管理体制、自己管理支援や生活支援の方法についてわかりやすくまとめています。 本書を執筆された先生方は、透析医療や看護に長年携わってきた先輩で、自分たちが行った医療や看護実践をふり返り、評価をくり返すことで培ったスキルをもっています。みなさんの疑問や不安に対して、先輩にアドバイスを受けるような感覚で学んでいただき、看護実践の手助けになることを願っています。2018年4月

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