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透析ケア 2018年 夏季増刊 19マクロな視点からの腎臓の構造 腎臓は脊柱の両側、第12胸椎から第3腰椎の高さ、肋骨に隠れるくらいの位置にあります(図1)1)。右の腎臓のほうが肝臓に押し下げられているため、やや低い位置にあります。腎臓は後腹膜腔という深い位置にあり、体表面から触れることはできません。形は前述したとおり、そらまめのようです。ちなみに、慢性腎臓病予防のイメージキャラクターは「そらまめくん」なので、多くの人がそのように見えるようです。さて、腎臓のくぼんだ部分を腎門といい、ここから血管や尿管が出入りします。腎臓の表面は膜で覆われています。 次に、腎臓の断面を見ていきますが、外側を皮質、内側を髄質といいます。腎臓に流入した腎動脈はさらに分岐し、さらに流出路として腎静脈に血液が戻ってきます。産生された尿は腎盂に集められ、尿管を通って膀胱に貯留し、尿道から排出されます(図2)1)。ミクロな視点からの腎臓の構造 ここから、腎臓をさらに細かい視点で見ていきましょう。図31、2)には、腎臓に流入した血液が腎動脈から分岐した血管(葉間動脈→弓状動脈→小葉間動脈)、そして輸入細動脈から糸球体と呼ばれる毛細血管の集合を経て輸出細動脈となり、その後、尿細管周囲を通過しながら腎静脈へと戻っていくことを示しています。糸球体はボウマン囊に包まれており、糸球体とボウマン囊を合わせて腎小体といいます。さらに、腎小体と尿細管を合わせてネフロンといいます。糸球体では尿のもととなる原尿が生成され、そして、尿細管を通過するうちに、いわゆる“お小水”がつくられます。さて、ここからは糸球体と尿細管の構造について説明していきます。糸球体 すこしわかりにくくなることが予想されるので、腎臓の機能を再度イメージしてください。腎臓の機能は、血液の浄化とホルモンの産生でした。ここからは、血液の浄化がどのように行図1 腎臓、尿路の解剖(文献1より作成)図2 腎臓の断面(文献1より作成)肝臓肝臓膀胱膀胱右腎動・静脈右腎動・静脈右尿管右尿管上腸間膜動脈上腸間膜動脈脾臓脾臓左腎動・静脈左腎動・静脈左尿管左尿管右腎右腎左腎左腎腎錐体腎錐体腎洞内脂肪腎洞内脂肪漏斗部漏斗部Bertin柱Bertin柱腎皮質腎皮質腎線維被膜腎線維被膜腎乳頭腎乳頭小腎杯小腎杯大腎杯大腎杯腎盂腎盂腎盂尿管移行部腎盂尿管移行部尿管尿管第2章  腎不全と腎代替療法

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