130101950
13/16

なぜ起こるの?骨リモデリングのアンバランス  通常、古い骨は破骨細胞に吸収され、骨芽細胞がつくる新しい骨で補充されます。この骨の新陳代謝機構を「骨リモデリング」(骨回転)と呼びます。骨リモデリング部位において、本来、骨吸収と骨形成の量は等しくなければなりません。しかし、骨吸収が骨形成を上回ると、骨強度が低下します(図)。その原因として、閉経によるエストロゲンの欠乏、カルシウムやビタミンD、ビタミンKの欠乏と副甲状腺ホルモンによる骨吸収作用などで、骨量は減少します。加齢による筋力低下や寝たきりなどの不動により、力学的負荷が低下することでも骨量は減少します。透析患者では、二次性副甲状腺機能亢進症に伴う腎性骨異栄養症、尿毒症性骨粗鬆症も関与しています。骨折の危険因子  一般的な骨折の危険因子としては、骨密度の低下(-2.5SD以下)、高齢(65歳以上)、3ヵ月以上のステロイド治療中、副甲状腺機能亢進症(原発性、二次性のいずれも)、骨折の既往、女性、糖尿病などが重要です。透析患者は骨折後の生命予後が悪いことが知られており、骨折の予防は重要です。どんな症状? よく見られるのは、腰椎圧迫骨折による腰痛です。転倒だけでなく、体をひねる動作やくしゃ破骨細胞図 骨リモデリングのアンバランス骨吸収が骨形成を上回ると、骨強度が低下する。2第章15骨粗鬆症/骨折99透析ケア 2019 夏季増刊

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る