130101951
14/18

194  透析ケア 2019 冬季増刊 適正な透析間体重増加量 透析患者の体液管理において、最大透析間隔日の体重増加量はドライウエイトの6%未満を目標とします1)。したがってドライウエイトが60kgの患者の場合、最大透析間隔日の体重増加量の目標は3.6kg(60kg×0.06=3.6)となります。栄養状態の評価法 単独指標よりも複合指標のほうが予後の予測に適しており、以下の評価法があります。■主観的包括的評価(SGA) 主観的包括的評価(subjective global as-sessment;SGA)は、特別な道具や検査を必要とせず、いつでもどこでも行えます。「患者記録」と「身体症状」を組み合わせた栄養状態の総合評価に用いられます2)。■自覚的栄養評価法(MIS) 自覚的栄養評価法(malnutrition-inam-mation score;MIS)は、SGAに透析歴と合併症、体格指数(body mass index;BMI)、血清アルブミン、総鉄結合能(total iron binding capacity;TIBC)を加えた、透析患者に特異的な栄養スクリーニング法です3)。10項目、4段階(0〜3点)の合計30点で評価し、点数が高いほど栄養不良となります。■高齢者栄養リスク指標(GNRI) 高齢者栄養リスク指標(geriatric nutri-tional risk index;GNRI)は、高齢入院患者(65歳以上)の合併症や死亡リスクを予測するために考案された栄養スクリーニング法です4)。血液透析患者では、GNRIが91.2未満の場合にリスクありと評価されます5)。適正な透析間体重増加量を確認するとともに、食事を抜くことで栄養状態不良につながるため、栄養状態を評価します。体重管理には、適正な食塩制限・水分制限が必要であり、グラフ化体重日記や食事記録、飲水量記録などを提案し、目標体重と食事内容を認識してもらいます。糖尿病患者では、血糖コントロールの確認も重要です。A体重を増やさないように食事を抜いてくる患者には、どのようにかかわればいい?Q77

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る