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 透析患者は、食事管理を欠かすことができません。しかし、なぜ食事管理が必要なのか、具体的にどのようなことに気をつけて食事をとればよいのかが理解できていなければ、適切な食事管理には結びつきません。不適切な食事管理は不十分な食事摂取量と栄養摂取量の不足に直結し、栄養障害や合併症の発症・重症化、ADLやQOLの低下をもたらすことになります。 透析現場では、新規導入を含む透析患者の高齢化が著しく、支援や介護が必要な患者が増え、食事管理や食事指導がスムーズにいかない場合も多くあります。しかし、食事指導の内容や手法に決まった型はありません。食事指導は、患者が必要なこと、実践できることを考え、食事管理の基本を柔軟に変えていくべきものです。患者が求めるものは何か、それに応じた指導が大切です。そこで本書は、透析室の看護師が自身の食事指導に不安を抱いたとき、患者から食事について質問を受けたとき、本書を開くことで看護師と患者がいっしょに食事管理について学んでいくことができるものを目指しました。 第1章は、食事管理の基本を解説した「透析患者の食事管理のキホンQ&A」、第2章は、具体的な食事や食品に関した「食事に関する患者のギモンQ&A」、第3章は、看護師の疑問に回答する「食事に関するナースのギモンQ&A」の3部構成となっています。全部で100問の質問を設定し、透析患者の食事指導・栄養管理のエキスパートである管理栄養士のみなさんに解説していただきました。また、第4章では、透析患者とその家族が家庭で簡単に調理できるおススメの透析食レシピ15点と、すぐに利用できる指導ツールを紹介しています。これらはすべてweb上でダウンロード可能です。 この1冊で、看護師も透析患者も食事管理に対する基本を学び、不安や疑問を解決できることでしょう。本書が患者のよりよい透析生活をサポートするものになることを願っています。2019年10月編集にあたって東京医療保健大学医療保健学部医療栄養学科准教授北島幸枝

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