130102004
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Special Edition特集伊いとう・みのる東稔 清永会矢吹病院副院長水・電解質・酸塩基平衡の調節 一つの腎臓には糸球体と尿細管で構成される「ネフロン」という構造が約100万個あります。糸球体では血液を濾過し原尿をつくり、尿細管では原尿から必要なものを再吸収して不要なものを分泌し、最終的な尿が生成されます(図)。 腎機能を表す糸球体濾過量(glomerular filtration rate;GFR)が正常(=100mL/min/ 1.73m2)の場合、腎臓は1日に約150Lの血液を濾過し、その99%が再吸収され、約1.5Lが尿として排泄されます。人の体重の約60%は水分です。体重60kgの人であれば約36Lが体液ですから、腎臓は毎日人の体液を4回も濾過していることになります。 腎臓は、大量の血液を濾過することによって、余裕をもって体液量や電解質バランスの調整を行うことができるのです。急な水分・食事の増減にも対応可能となり、体液の恒常性が維持されます。しかし、腎機能が低下しGFRが小さく1ヒトのからだの恒常性を保つしくみ〜腎臓を中心に〜図●ネフロンの構造と尿生成大動脈大静脈腎動脈腎静脈腎臓大動脈大動脈大動脈腎動脈腎静脈腎静脈腎静脈腎臓ネフロン血液血液を濾過して原尿をつくる原尿から必要なものを再吸収し不要なものを分泌する尿約1.5L/day糸球体尿細管12 (308) 透析ケア 2020 vol.26 no.4

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