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 近年、透析患者のポリファーマシーが話題になっています。さまざまな合併症を有する透析患者の薬が多くなるのは仕方ないことかもしれません。ポリファーマシーは、単に薬の数が多いことではなく、それに関連して薬の有害事象の危険性が増加する、服薬の間違いが起こりやすくなる、服薬アドヒアランスが低下しやすくなるなどの状態とされ、一つひとつの薬を適正に管理することが問題解決の糸口になります。本書は、作用機序、用法・用量、副作用、特徴や注意点、服薬指導のコツなど、薬を適切に管理するための知識について、多忙な透析室スタッフにも活用しやすいガイドブックを目指してまとめました。 第1章では、透析関連の合併症治療薬を紹介します。透析室で処方されたり、使用されたりする機会の多い薬です。新薬も積極的に取り上げました。第2章では、透析患者が合併する他科疾患の治療薬を紹介します。他科で処方される機会が多いですが、透析患者に注意が必要な薬が含まれます。第4章の透析患者に禁忌の薬といっしょに確認してください。また、患者みずから購入することのできるOTC薬やサプリメントについても取り上げました。そして、第3章では、透析に関連して使用されるおもな薬を紹介します。日々の透析のなかで使用される薬ですので、いま一度その注意点を確認してください。 今回、多くの若手薬剤師に執筆をお願いしました。本書は、透析患者の服薬指導において最前線で活動する薬剤師が注意を払っている内容となっています。職種間の相互理解を深め、多職種が同じ視点をもって薬物療法に臨むことは、よりよいチーム医療の一歩となるはずです。 本書を通じて、日々の看護、そしてチーム医療の進展の一助になれば幸いです。 最後に、ご多忙にもかかわらず執筆にご協力いただきました先生方に深く感謝いたします。本当にありがとうございました。 2020年4月寿楽会大野記念病院薬剤部副部長浦田元樹吉重薬品グループ もみじ薬局陳尾祐介編集にあたって

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