ム動脈硬化はマクロファージが過剰な酸化LDL—Cを取り込んで泡沫細胞となり、プラークを形成した病態です。アテローム動脈硬化が原因で起こる疾患としては、労作性狭心症(冠動脈狭窄)や末梢動脈疾患、脳梗塞などがあります。また、プラークの破裂によって起こるのが急性冠症候群です。2.メンケベルグ型動脈硬化 メンケベルグ型動脈硬化はもともと小動脈の中膜に石灰化を来した状態を指しましたが、透析患者では大動脈や中動脈の中膜が石灰化した状態にも使用されるようになってきました。メンケベルグ型動脈硬化は、血管全体の弾性が低下する原因となります(動脈壁硬化)。透析患者では高リン血症や血中のカルシウム・リン積が高いので、程度に差はあるものの、ほぼ全員にメンケベルグ型動脈硬化を合併しています。図1●脳・心血管合併症が起こるしくみ労作性狭心症急性冠症候群脳血管が詰まる脳血管が破れる脳梗塞クモ膜下出血脳内出血脳血管障害高血糖食塩過剰摂取口 渴多 飲うっ血性心不全循環血液量増加高血圧血圧の上昇アテローム動脈硬化血小板凝集内皮細胞内膜が肥厚するマクロファージの侵入酸化LDL-Cの取り込み内 膜血管内皮が傷害される外 膜中 膜Special Edition必要なコトをまとめました新人スタッフ必読! 透析がまるっとわかるイラストノート ~病態生理編~透析ケア 2021 vol.27 no.4 (343) 47
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