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28 消化器外科NURSING 2017 春季増刊ドレーン固定の目的および方法ドレーン固定の目的は、ドレーン留置中の患者さんにドレナージを安全、確実に行うこと、体位変換や離床などによるドレーン事故抜去や刺入部からの逆行性感染を予防することにあります。患者さんによっては、疼痛やドレーン留置による不安から、必要以上に体動を制限してしまうこともあります。ドレーン留置による身体的苦痛や、拘束感などの精神的苦痛が最小限になるように、確実な固定方法を検討する必要があります。また、理解力の低下した患者さんやせん妄や意識障害のある場合は、ドレーンを引っ張ったり、自己抜去する可能性もあるので、ドレーン固定を強固にし必要時はミトンや抑制帯の使用を考慮します。皮膚が脆弱である患者さんには、特に粘着性弾力包帯による皮膚の発赤や水疱に注意し、貼る前に保護膜形成剤で皮膚に皮膜を作ったり(図1)、フィルムドレッシング材を貼った上に粘着性弾力包帯を貼る(図2)などの工夫が必要です。1ドレーン固定広島大学病院 看護部 徳とくなが ゆりえ永友梨恵 尾おばた なおみ畑直美 山やまもと ひろみ本裕美同 消化器外科 矢やの らいた野雷太 伊いぶき ゆうた富貴雄太同 感染症科 大おおげ ひろき毛宏喜図1保護膜形成剤図2フィルムドレッシング材を貼った上に粘着性弾力包帯を貼付
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