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内視鏡的逆行性膵胆管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography;ERCP)は、口から十二指腸まで内視鏡(カメラ)を進め、その先端から出した細い管(カテーテル)を膵管や胆管に挿入し、造影剤を注入してX線写真を撮影することで、膵管や胆管の異常を詳しく調べる検査です。結石や腫瘍(がんなど)があるかどうかを調べることができます。また、膵液や胆汁を採取したり、病変部から組織や細胞を採取することもあります。●●●●●●●●どういう治療法?ERCP13消化器外科の治療とケア第  章2ERCPを行った後には次のような合併症が生じることがあります。●急性膵炎:発熱や腹痛、背部痛などの症状が出現し、血性アミラーゼ値が著明に上昇します。重症例では致命的になることがあります。●消化管穿孔:内視鏡挿入中の嘔吐・咳反射や処置によって、食道、胃、十二指腸に穿孔が生じることがあります。筋性防御などの腹膜刺激症状が出現します。●胆管炎:造影剤注入時の逆行性感染によって起こります。悪寒戦慄を伴う発熱や腹痛がみられることがあります。●●●●●●●●●●●●この治療法のポイントは?治療方法ERCPの手順は以下の通りです。①静脈ラインを確保した後、消化管の蠕動を抑制するために鎮痙薬を、痛みを和らげるために鎮痛薬を投与します。②局所麻酔薬を用いて咽頭麻酔を行います。③患者さんを腹臥位にして、口からERCP用の内視鏡を挿入し、十二指腸まで進めます。④十二指腸下行脚においてファーター乳頭を確認し、細いカテーテルを胆管や膵管に挿入します。⑤造影剤を注入し、X線写真を撮影します(図1)。また、目的に応じて以下の処置を実施することがあります。胃胆管胆囊内視鏡十二指腸膵臓空腸ファーター乳頭膵管◆ERCPのイメージ図図1◆実際のERCPの画像膵管、胆管にガイドワイヤーが挿入されている。は胆管、は膵管に挿入されたガイドワイヤー。消化器外科NURSING 2018春季増刊218

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