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消化器外科NURSING 2018 秋季増刊178起こりうる合併症呼吸・循環動態の変化、誤ご嚥えん性肺炎、再出血、消化管穿孔注意すべきドレーン排液内視鏡後に、経鼻胃管が留置されている場合、血性排液に注意する注意すべき症状・再出血による吐下血(鮮血の場合はドクターコールが必要)・消化管穿孔による腹痛・発熱(バイタルサインの変化を伴う場合はドクターコールが必要)術式特有の食事指導術後は原則絶飲食とするが、下部消化管出血の場合は絶食のみの場合もある。再出血がないことを確認し、食事を開始する術式特有の栄養指導食物繊維が少なく消化のよい軟らかい食事を勧める。アルコールや香辛料などの刺激物は避けるよう指導するそのほか術後特有の管理胃十二指腸潰瘍の場合、制酸薬(PPIかH2ブロッカー)の投与が必須 注意すべき合併症と、観察・対応①内視鏡検査②止血術の、2つの原因による合併症に注意する治療後に起こる合併症には、①内視鏡検査によるものと②止血術によるものがあります。①内視鏡検査の場合は、鎮静薬や鎮痛薬を使用することが多く、薬剤による呼吸抑制や血圧低下が起こることがあり、バイタルサインの変化に注意が必要です。②止血術の場合は、検査時間が長くなり、唾液や血液の逆流により誤嚥し、誤嚥性肺炎を起こすこともあります。さらに止血後にはいったん止血しても、再出血したり、止血操作による遅発性消化管穿孔が起こる可能性もあります。経鼻胃管が挿入されている場合は、経時的に経鼻胃管からの排液の量・性状を確認し、新鮮血が確認できたり、量が多いときは、出血が持続していたり、再出血をきたしていると判断し、医師への報告が必要です。吐血・下血を発見したときの観察と対応吐血や下血(➡用語解説)を発見したときは、性状(血液の色調)や量を確認します(図1、2)。大量の場合は出血性ショックを起こす場合があるので、バイタルサインの確認が必要1

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