これだけは見逃さない!術後の症状アセスメントナースが知りたい トラブルのみかたと“次の行動”特集⑥ドレーン排液いつみる? 術直後からドレーンが抜去されるまで。 術直後は出血に注意し、それ以降は排液の性状や量が変化していないか観察します。発熱や腹痛といった症状があれば、感染も併発している場合があり、緊急処置が必要になる可能性があります。みかたポイント⑦意識いつみる? 術直後〜術後5日目。 術直後は覚醒遅延に注意し観察します。せん妄は興奮や妄想、昼夜逆転などの症状に注意し、原因を探ります。同時に環境を調整し、患者さんが落ち着けるように対応することが求められます。みかたポイント⑤腹部所見、便いつみる? 術後2〜7日。食事を開始してからは特に注意。 術後は鎮痛薬により腹痛がマスクされやすいので、しっかり聴診・触診で評価することが重要です。排ガスの停止や嘔吐などの急に起こった症状を見逃さないようにしましょう。みかたポイント消化器手術後は、患者さんが早期に元の生活に戻れるよう援助していくことがナースには求められます。そのためには「どんな手術をしたのか」「患者さんにどんな危険な因子があるか」を知っておくことが助けになります。一人ひとりの患者さんの既往歴や病状、手術法、背景因子などを理解し、早期離床に努め、合併症を予防して早期退院を図ることが重要です。また、ナースが合併症を的確に察知できるかどうかも患者さんの予後にかかわってきます。ここに挙げた7つの項目はそれぞれが関連しており、どれか1つだけを注意してみればよいということはありません。“木をみて森をみず”ではなく“木をみて森もみる”という医療・看護を一緒に実践していきましょう。ナースはここを見る&聴く!消化器ナーシング 2019 vol.24 no.10 (887) 7
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