この直後はどう・なにをみる?消化器治療ケアの重要シーン28先輩ナースの“目線”を追え!特集麻酔薬の残存による覚醒遅延の場合は拮抗薬を投与する 覚醒遅延とは、手術終了後ある程度時間が経過しても意識、応答が回復しない状態であり、無呼吸、いびき様呼吸や舌根沈下などを認めることがあります。舌根沈下、上気道狭窄に伴い、上気道狭窄音(いびき音)を聴取することもあります。 覚醒遅延の原因としては、①麻酔薬の効果残存、②脳血管障害、③代謝性障害、④換気障害、⑤体温異常、⑥痙けい攣れん、⑦心因性などが挙げられます。覚醒遅延の原因に応じて対処する必要があります手術後の重要シーンを追え!手術後の重要シーンを追え!重要シーン重要シーン1 覚醒直後 覚醒直後は麻酔の影響や手術侵襲により、覚醒遅延や術後せん妄を起こすことがあります。また、麻酔薬が体内に残存することで覚醒遅延を引き起こし、無呼吸や舌根沈下などの症状をきたします。術後せん妄などにより、ルートやドレーンを触ったり、引き抜こうとしたりするため、注意して観察する必要があります。ゼッタイ確認!1呼びかけに応えるか2無呼吸になっていないか3いびき様呼吸はないか4呼吸や循環動態に異常はないかこのシーンはなぜ重要?この異常は見逃さない!覚醒遅延1234ここで気付こう! 声掛けに応えない、無呼吸、いびき様呼吸、上気道狭窄音(吸気性喘ぜん鳴めい)、SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)が90%以下。消化器ナーシング 2019 vol.24 no.11 (983) 7
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