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4安全の確保をしよう! 周囲にはさみや爪切りなどがある際には片付けましょう。また点滴のルートが患者さんの視界に入らないよう袖の中を通したり、ドレーンやチューブの固定をテープで強化することで抜去を防止します。ベッドからの転落で体を損傷しないよう、ベッドの高さを低くしておくなどの工夫も必要です。5疼痛のコントロールをしよう! 疼痛はせん妄の誘発因子となるため、軽減・除去に努めましょう。特に術後2~3日目に好発するといわれています。6家族への説明も十分に行おう! 身体抑制については入院時や術前に医師に説明してもらい、患者さんとその家族に同意を得ましょう。しかし、身体抑制は安全が確保できない場合に一時的にやむを得ず実施するものであり、患者さんの尊厳や倫理の問題も考えなければなりません。 環境の変化もせん妄の誘発因子です。いつもそばにいた家族が付き添うことで落ち着く場合もあり、家族に付き添いを依頼する場合もあります。一方で、せん妄の患者さんを見て家族は不安な気持ちになるので、家族の不安や疑問の解消に努めるようにしましょう2)。100 消化器ナーシング 2019 春季増刊せん妄ハイリスクおよびせん妄の患者さんへの睡眠薬(ベンゾジアゼピン受容体作動薬)の投与は、せん妄を誘発・悪化させるため避けるべきであるといわれています。薬剤の調整については、薬剤師や医師と相談しましょう2)。先輩のこっそりPOINT! 認知症と混合されがちですが、せん妄は日内変動します。夜間せん妄という言葉があるように、日中はしっかりしているのに夜間に症状が強く現れ、興奮して怒るなど、豹変する患者さんもいるため注意しましょう。想定外POINT!

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