やってみよう! 胆道のアセスメント●アセスメントの方法胆管炎や胆囊炎を伴っている症例では、38℃を超える発熱があることが多く、重症化すれば敗血症により血圧や呼吸機能の低下を認めるようになります。胆管炎や胆囊炎に対し、抗菌薬治療を開始して24時間後もバイタルサインに変化がなければ、血液検査も検討し、ドレナージ術を考慮します。また、24時間以内でも、90mmHg以下の血圧や経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の低下傾向を認めた場合、早急なドレナージ術を考慮します。ドレナージ後も血液検査とともにバイタルサインの観察を行い、抗菌薬治療およびドレナージ術の効果を評価します。ドレナージ後にも発熱が続く場合や、低血圧、SpO2の低下を認める場合は、ドレナージ不良や抗菌薬の変更を考慮するほか、肺炎などの合併症の発生も考慮しなければなりません。胆道疾患の手術は、比較的侵襲の大きな手術が多く、術後3日目までは発熱を認めることがあります。4日目以降も38.0℃を超える発熱、低血圧、SpO2の低下や乏尿を認める場合は、術後肺炎や腹腔内膿瘍の発生を考慮し、先輩看護師や医師に相談しましょう(表1)。1.バイタルサインのチェック表1■急性胆管炎の悪化徴候のバイタルサイン項目サイン参考基準値体温38.0℃以上36.5℃±0.5℃血圧≦90mmHg 120~129mmHg心拍数≧90回/分60~85回/分呼吸回数≧20回/分12~15回/分SpO2≦91%≧92%意識意識障害あり清明尿量乏尿 (0.5mL/kg/時未満)0.5~1.0mL/kg/時以上消化器ナーシング 2019 春季増刊 145おぼえよう!消化器のアセスメント - 5 胆道のアセスメント第章3これだけは注意しよう発熱を認める場合は、胆管炎・胆囊炎や術後感染症の発生が考えられるので、注意が必要です。発熱と同時に、血圧低下、呼吸障害や意識障害などを認めたときは、上記の感染症が重症化している可能性を考え、先輩看護師や医師に相談しましょう。12ステロイドを長期内服している患者さんは、白血球数が増加し、CRPが上昇しにくい傾向があります。胆管炎・胆囊炎や術後感染症の評価には、バイタルサインの変化や画像検査なども十分に考慮しましょう。想定外POINT!
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