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194消化器ナーシング 2019 秋季増刊129フードブロッケージ(久保健太郎)■フードブロッケージとは 食物がストーマの出口で詰まり、腸閉塞様の症状(ストーマからの排便・排ガスの停止、腹部膨満、悪心・嘔吐など)をきたすことをいう。内腔が狭い小腸ストーマで起こりやすく1)、食物繊維などの消化の悪い食品を食べた場合に起こる2)といわれている。 潤滑剤をつけた指をストーマの出口から挿入すると、詰まった食物塊を触知できることがある3)。治療はネラトンカテーテルなどを挿入して洗浄を行う4)。 フードブロッケージは予防が大切であり、看護師の役割は、患者にフードブロッケージの予防方法の知識を提供することである(図1、2)。➡ストーマ閉塞➡ストーマ狭窄➡ストーマの出口が食べ物の塊で詰まること110117◦海藻類(ワカメ、コンブ、ヒジキなど)◦豆類(大豆、枝豆など) ◦イカ、タコ◦油の多い料理(カツ、ビーフステーキなど)◦脂肪の多い肉(バラ肉、ハム、ベーコンなど)など消化の悪い食品図1◦野菜(ゴボウ、タケノコ、ネギ、レンコン、フキ、ゼンマイ、ワラビ、キノコなど)◦イモ類(サツマイモ、こんにゃく、しらたきなど)など食物繊維の多い食品図2●フードブロッケージ予防の指導のコツ 具体的な指導内容は、食物繊維を多く含んだ食べ物や消化の悪い食べ物を一度に多量に摂取しないこと、そのような食べ物を摂取するときには、よく刻んで、よく噛んで食べることになります。また具体的に注意すべき食品を示すこともクオリティUPのポイントです。ただし、いきすぎた制限は患者さんのQOLを下げる可能性があるので、量を少なめにしてゆっくりよく噛んで食べれば大丈夫ということを強調することも大事だと思います。1)Steele,SR.etal.TheASCRSTextbookofColonandRectalSurgery.3rded.NewYork,Springer,2016,1292p.2)Anderson.DN.etal.LoopileostomyFixation:simpletechniquetominimizetheriskofstomalvolvulus.IntJColorectalDis.1994,9(3),138-40.3)Fujii,T.etal.Outletobstructionoftemporaryloopdivertingileostomy.Hepatogastroenterology.2015,62(139),602-5.4)日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会ほか編.“フードブロッケージ”.消化管ストーマ関連合併症の予防と治療・ケアの手引き.東京,金原出版,2018,136.その他ストーマ合併症!!

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