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200消化器ナーシング 2019 秋季増刊133便漏れ・潜り込み(松尾知子)■便漏れ・潜り込みとは 便がストーマ袋内ではなく、外に漏れてしまう状態を「便の漏れ」といい、面板と皮膚の間に便が入り込んでしまった状態を「便の潜り込み」という(図1)。 このような状態が起こる原因としては、使用しているストーマ装具が腹壁になじんでいない、体重の増減に伴う腹壁の変化(しわ・くぼみの出現)、ストーマ装具の貼付方法の問題など、さまざまである。原因をアセスメントし、対策の検討が必要な状態であるため、十分な情報収集を行う必要がある。 また、便の漏れ・潜り込みによって、ストーマ周囲に皮膚障害を合併している可能性も考えられるため、ストーマ周囲の観察・評価も合わせて行う必要がある。便の漏れ➡便が外に漏れてしまうこと便の潜り込み➡便が面板と皮膚の間に入り込むこと便の潜り込み図1ストーマ袋の面板の、ストーマ皮膚縁と接する部分に便が付着している。●便漏れや潜り込みはQOLに影響する 便の漏れや潜り込みの状態が頻回に起こると、外出への不安を感じ、外出を控えてしまうなど、ストーマ保有者のQOLにも大きく影響する可能性があります。ストーマ外来受診時には、このような状態が起こっていないかの確認をすることも重要です。便の漏れ・潜り込みの状況が発生している場合には、情報収集をしっかり行い、問題を解決できるように対策を検討していく必要があります。1)工藤礼子.“ストーマ保有者の皮膚障害”.ストーマリハビリテーション 基礎と実際.第3版.ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編.東京,金原出版.2016.234-50.2)片山育子ほか編.“装具交換をマスターしよう”.はじめてのストーマケア.大阪,メディカ出版,2007,41-3.3)ストーマ・排泄リハビリテーション学用語集.第3版.日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会編.東京,金原出版,2015.装具のアセスメント・交換ストーマケア・アセスメント用語

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