3消化器ナーシング 2019 秋季増刊「便が漏れていますので、装具交換お願いします」 こういうナースコールがかかります。さて、あなたはできますか? あなたはまだ新人で、もうすぐ1年になるのにあまりストーマ患者が担当にならなかった。どうしよう、先輩のナースに指導を仰ぐにも、「どんな状況か」「どこがどう漏れているのか」「皮膚の状況はどうか」、その他多くの状況を説明しなければいけません。「医学用語も自信ないのでうまく説明できないし」「装具の名前も毎年変わるので覚えられないし」「今日の指導ナースはいつも私になると感情的に怒るし……」「ああ、憂鬱」 こんなことはよくありますよね。 あなたはナースになってまだ1~2年の新人なんです。経験していないことは山ほどあるんです。経験していないことは知らない、と言えばいいのです。できないのは当たり前です。九く九くを覚えていないのに掛け算はできないのです。自動車の運転を習っていないのに車の運転はできないのです。 しかし、便漏れの激しい、皮膚にしわの多いような、難しい装具交換はしたことがなくても、ストーマの各部の名称やストーマの高さ、双孔式ストーマか単孔式ストーマか、二連銃かループか、装具は平面か凸面か、などの知識は経験がなくとも準備できます。知識があれば名称も言えます。反対に、知識がなければ先輩ナースにどこがどうなっているのか報告できません。そうすると、また怒られます。装具交換の技術は経験がものを言いますが、ストーマ関係の知識を得るのに、経験はいりません。自学です。 本書は、そのようなあまり自信のない新人ナースのために書かれました。ストーマに関するちょっとした用語を解説しています。日常よく使っている、知っているようで知らない、ストーマ関連の用語を、意味はもちろん、ケアのポイントなど臨床に役立つ知識も紹介しています。第一線で活躍されている、医師、看護師に解説をお願いしました。図表なども多く、わかりやすく仕上がっています。 折に触れ開いて読んでみてください。きっと役に立ちますよ。本書が少しでも皆さんに自信が出る手助けになるように祈念してやみません。監修地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立十三市民病院 病院長/外科西口幸雄
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