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69消化器ナーシング 2019 秋季増刊 術手と患疾るわつまに 046出口症候群(内野基)■出口症候群とは Outletobstructionとよばれ、ストーマ出口での腸閉塞(便排泄障害)を意味する1)。ストーマ出口閉塞といわれることもある。ストーマは腹壁を貫通するように腸管を挙上して造設されるが、その際に腹壁による締め込み、屈曲、ねじれなどが原因で排便不可能となり腸閉塞となる。ループ式回腸ストーマや腹腔鏡手術での造設例が多いとされているが、明らかな要因は不明である。ストーマからのカテーテル挿入で軽快する(図1)。 治療は前記のカテーテル挿入による貯留便の排出(図2)であるが、カテーテルによる腸管穿孔を起こしうるため、挿入、留置には注意が必要である。繰り返す場合にはストーマ再造設や、早期にストーマを閉鎖する場合もある2)。➡ストーマの出口で腸がねじれたり、締め込まれたりして便が出なくなる状態カテーテルからの排液図2ストーマ口からカテーテルを挿入したところ図1カテーテルストーマ診断と治療を兼ねたカテーテルの挿入によって多量に排液されている。●ストーマ装具選択時の注意 ほとんどがループ式回腸ストーマに起こり、カテーテル挿入によって軽快しますが、通常よりも水様便であることが多く、カテーテルの自然脱落も起こりやすく装具が剝がれやすいことに気を配る必要があります。キャップ式や逆流防止弁付きのストーマ装具が水様便の排出に便利な場合もありますが、これらの装具ではカテーテルの挿入が非常に難しくなります。排泄障害を繰り返す場合にはカテーテルを挿入しやすいように排泄口が大きく、逆流防止弁のついていない装具を選択したほうがよい場合があります。1)Shabbir,J.etal.Stomacomplications:aliteratureoverview.ColorectalDis.2010,12(10),958-64.2)内野基ほか.Loopileostomy造設の工夫とoutletobstruction予防効果.日本大腸肛門病学会雑誌.2011,64(2),73-7.

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