第1特集エキスパートの視点でトラブルを防ぐ&見逃さない!“注目すべき場面”が時系列でわかる!消化器内科 11の治療と検査腸管洗浄剤は朝から当日は絶食飲水は可 1 絶飲食の確認 経口内視鏡の場合は前日21時までに、経肛門内視鏡の場合は2日前から、消化のよい食事をし、経口内視鏡・経肛門内視鏡ともに当日は絶食(水分は可)で検査室に入ってもらいます。 経肛門内視鏡で、腸管洗浄剤を自宅で内服する人は、朝から腸管洗浄剤を内服してもらった後に来院してもらいます。内視鏡施行の12時間程度前から絶食にすると、胃に食べ物が残っていない状態で検査ができます。ただし、胃の手術を受けた後などで消化管運動能が低下している患者さんなどは、前日の昼食から絶食してもらうなどの工夫が必要です。飲水を制限しすぎると脱水を起こしたり、鎮静薬投与時に血管が見えづらくなったりするため、絶食は必要ではありますが、飲水に関しては強く制限しないほうがよいです。 トラブル 回避の ポイント! 抗凝固薬・抗血小板薬は、数日前からの休薬が必要な薬もあります。患者さんによっては、数日前からの休薬を守れない人、自己判断で必要以上に休薬をしてしまう人などがいます。休薬期間を守ることを確実に伝えることと、薬の名前だけでなく、薬の形状なども一緒に伝えるとよいです。 トラブル 回避の ポイント! 2 休薬の確認 抗凝固薬・抗血小板薬は、各施設で取りまとめた休薬表を参考に休薬期間の確認を行います。内視鏡内容に応じて、出血リスクごとの休薬期間を確認します。 そのほかの薬剤については、降圧薬は内服可・糖尿病薬は内服なしなど、食事制限などの内容と照らし合わせて内服の可否を確認してください。ただし、内服可とする場合には胃内に薬剤が残存しないよう、検査予約時間の2時間前には内服しておくよう説明します。この患者さんの休止薬と期間は?内服可能な薬剤は?経口・経肛門内視鏡に 共通する処置・ケア経口・経肛門 01章内視鏡治療・検査 東京品川病院 内視鏡部 今村倫敦トラブル回避の注目ポイント@エキスパートの目!6 (1150) 消化器ナーシング 2020 vol.25 no.12
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