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消化器ナーシング 2020春季増刊 3はじめに 消化器系は食道から、胃、小腸、大腸、肛門までの消化管と、肝臓、胆嚢、膵臓の付属器官からなる人体の重要臓器です。食べ物を消化、運搬し、最後は便として排泄する働きをもつため、腹部の膨満感、食欲不振、嘔吐、腹痛、便秘、下痢、下血などさまざまな症状がおこります。炎症や機能性疾患などの良性疾患に加えて悪性腫瘍の発生が多いのも特徴で、部位別がん患者数の50%を消化器系が占めます。 消化器疾患に対する治療方法は最近、大きく進歩しました。外科では従来の開胸、開腹手術に加え腹腔鏡や胸腔鏡、ロボットを使った手術が日常的に行われるようになりました。内科では内視鏡を使った切除や結石の除去、カテーテルを使った治療などが次々と開発されています。薬物療法や化学療法の分野でも新薬の登場が目白押しです。治療法の高度化に伴って検査も複雑になり、種類も増えてきました。そうしたなか、患者さんがどんな治療や検査を受けているのかを知っておくことは、手術室や検査室で直接介助にあたる看護師のみならず、術後の急性期の処置やドレーン管理、回復期のケアを行う病棟看護師の皆さんにとってもたいへん重要です。 本書では、最先端の医療現場で行われている消化器疾患の治療と検査を、現在第一線で活躍しておられる先生方に図を用いてわかりやすく解説していただきました。各項では、入院から治療や検査を受けて退院するまでの大まかな流れを示したあと、何のために行うのか、患者さんの体にどのような影響があり、どんなことに気をつけて動けばいいのかを、チェックリストとともに簡潔にまとめました。特別企画の「消化器の重要薬剤&検査値ミニブック」も必携です。 本書が消化器看護に携わる方々の実践に役立ち、成果につながることを祈っています。兵庫医科大学 上部消化管外科 主任教授篠原 尚

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