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38 消化器ナーシング 2020春季増刊2章開胸・開腹手術頸部食道切除術頸部食道に限局した腫瘍に対して行われる手術で、頸部食道だけを切除してその間を遊離空腸でつなぐ。腫瘍が口側や気管側に進展していた場合は咽頭喉頭食道切除術が、足側に進展していた場合は胸部食道切除術が追加される。治療法データ目的 頸部食道に限局した腫瘍の切除疾患・切除範囲がん気管食道治療後の状態遊離空腸吻合部ドレーン左右リンパ節郭清部ドレーン咽頭血管吻合頸部の動静脈モニタ腸管ココがメリット喉頭温存ができた場合の最大のメリットは、発声機能の温存ができることです。ココがデメリット喉頭温存ができた場合は、誤ご嚥えんや肺炎のリスクが生じやすいです。逆に温存できなかった場合(咽頭喉頭食道切除術)は誤嚥するリスクはなくなりますが、かわりに声を一生失います。そのため、喉頭温存のために、化学療法や放射線化学療法を加えた集学的治療が行われます。この治療法の入院手術の1週間前(最後の術前検査と術前リハビリテーションのため)術前の絶食術前日の朝または昼までの食事とし、以降は絶食手術体位 仰臥位時間 約6時間創 頸部襟状切開  上腹部正中切開食事再開術後1週間程度ただし嚥えん下げリハビリテーションを必要とする場合はもっと後になる。退院在院期間3~4週間程度嚥下訓練を必要とすることが多い。病棟では「頸食」と略されることもある。 通称 頸部食道切除術挿入抜去留置するドレーン・チューブ左右頸部ドレーン:4~5日間吻合部ドレーン:7~9日間経管栄養チューブ:3週間以降~外来時

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