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消化器ナーシング 2020 秋季増刊24れた、薬剤を注入する点滴システムです(図1)。皮下埋め込み型ポートの適応は表1のとおりです。投与前の確認 留置されているポートの製品名、留置日、カテーテルの挿入部位、ポートの留置部位を患者カードなどから確認します。 長期に使用していない場合は、ポートを使用するか医師と相談し、胸部X線検査などでカテーテルの位置異常などがないことを確認します。ポートの穿刺 皮下埋め込み型ポートのセプタムはシリコン製で、製品にもよりますが、2,000回程度の穿刺が可能です。ポートの穿刺には専用針(ノンコアリングニードル)[       ]を準備します。この専用針を生理食塩水でプライミングす用語解説1図1 皮下埋め込み型ポートの構造専用針の先端ポート専用針はコアリングが起こらないよう、先端が曲がっています。カテーテルの種類オープンエンドタイプグローションタイプ薬剤専用針ポートセプタム皮膚カテーテル静脈セプタムシリコン製。ここに針を刺すことで投与可能表1 皮下埋め込み型ポートの適応●末梢静脈血管が細く、留置針の挿入が困難(血管外漏出のリスクがある)●繰り返しのがん化学・薬物療法●静脈炎やリンパ浮腫などで、留置針を挿入できない●在宅での投与を含むレジメン●長時間にわたり抗悪性腫瘍薬が投与される(FOLFOX療法、FOLFIRI療法、FP療法など)●血管刺激がある薬剤の投与により、血管痛への苦痛がある(オキサリプラチンなど)コアリング 針を穿刺する際、ゴム片が削り取られることをいいます。ポートを直針で刺すとセプタムのシリコンが削られ、体内への混入や、破損の原因になります。そのため、ポート専用針の先は特殊な形をしています。用語解説1

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