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137整形外科看護2016春季増刊第 章5変形性股関節症21骨盤・股関節●●軟骨が摩耗していき、骨こっ頭とうや寛かん骨こつ臼きゅうの変形が進行し、疼痛によって日常生活動作が障害される疾患です。●●本邦における変へん形けい性せい股こ関かん節せつ症しょうの有病率(X線診断)は、1.0〜4.3%です2)。●●原因となる基礎疾患がないものは一次性、基礎疾患があるものは二次性とされており、本邦の変形性股関節症の80%以上は発はつ育いく性せい股こ関かん節せつ形けい成せい不ふ全ぜん、寛かん骨こつ臼きゅう形けい成せい不ふ全ぜんに起因する亜あ脱だっ臼きゅう性せい股こ関かん節せつ症しょうです2)。●●X線上の特徴は、関かん節せつ裂れつ隙げきの狭小・消失、骨硬化、骨こつ棘きょく、骨こつ囊のう胞ほうが見られます。●●亜脱臼性股関節症は、前股関節症、初期股関節症、進行期股関節症、末期股関節症に分類されます(図4)。●●臨床所見としては、股関節の動作時痛が主体で、疼とう痛つう回かい避ひ跛は行こうや硬こう性せい墜つい下か性せい跛は行こう、トレンデレンブルグ徴候が見られます(図5)。どんな病態?図5●トレンデレンブルグ徴候a:正常。b:左変形性股関節症。ab 要語説明疼痛回避跛行荷重時の疼痛回避のために患肢の接地時間が短くなります。硬性墜下性跛行脚長差によって生じる歩行です。トレンデレンブルグ徴候片脚起立時に中殿筋の機能低下によって健側の骨盤が患側よりも下がる現象。図4●亜脱臼性股関節症a:寛骨臼形成不全がありますが、関節裂隙の狭小化はありません。b:関節裂隙の狭小化、軽度の骨棘形成、骨硬化像があります。c:部分的な関節裂隙の消失、骨棘形成、骨囊胞形成があります。d:広範な関節裂隙の消失、著明な骨棘形成、臼底の二重像、巨大な骨囊胞が見られます。aabbcc骨棘骨棘骨棘骨棘骨棘骨棘骨囊胞骨囊胞臼底の二重線臼底の二重線骨硬化骨硬化骨囊胞骨囊胞dd前初期進行期末期
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